盲腸日記 その3

未知の世界、手術室へ行くとぼんやりとした視界の中で自己紹介をする先生達。
はっきりいって、みんな同じ格好だし区別のつかない私。(それどころじゃないし)
とりあえず よろしくお願いします、とご挨拶。(少し余裕を見せたつもり)
なんてったって、生まれて初めての手術。すべてが未知との遭遇。
ほら、麻酔をすると変なことを口走るとか言うじゃない。
ああ、もしも夫とは違う男性(ヒト)の名前を口走ったりしたら・・・。
(テレビ(映画だったかも)の見すぎ。しかもそれは全身麻酔)
でも、ここで弱みを見せてはいけない(様な気がした)。
いい大人だし、一児の母だし、しっかりしなければ!!(たいした手術じゃないけど)
なんて、思ったかどうかは忘れちゃったけど、車椅子から降り
この後30時間くらい、踏みしめることの出来なくなる大地を踏みしめ
(というほどでは無く、よろよろと車椅子から降り、手術台への踏み台を登っただけ)
ついに、手術台の上へ!!

まず、横向きに寝てエビのように背中を丸める私。
脊髄から部分麻酔を入れられ、仰向けになり、今まで長方形だった手術台の
横から がしょいーん と出てきた腕乗せに、腕を固定され、服を脱がされ
(手術着は早着替えできそうな、寝ていても着脱できる着せ替え人形の服みたいなやつだった)
胸の上についたてを立てられたり、足に包帯を巻かれたり(見えないので後から確認。なぜだかは不明)
その間、何度か麻酔の効き具合を確認されつつ、着々と準備。
ちなみに、オキシドールか何かをしみこませた脱脂綿ですーっとなでて
冷たいかどうかを感じるかどうかで、確認するらしい。
そして、麻酔が効いていくにつれガタガタと震える私。寒いのかどうなのか分からないけど
とにかく震えるので、胸から上の部分に電気毛布みたいな暖かいものをかけてもらい
「(消毒用の)温かいヨードって無かったっけ?」などと、皆さんに心配されつつ、いざ手術へ。
(後から聞くと、嫁母も盲腸手術時同じようにすごーく震えたらしい。遺伝?)
徐々に震えは消えて行き、腸を引っ張られるような感覚や、胃の痛みを感じながら
視線は、真上の電灯いっぱいの例の照明へ。どうやら、あれには映るらしい。
というわけで、自分のお腹が開いたところを見てみようと思ったけど、メガネ無しなので
ぼんやりと、でも赤く、ああ、今開いてんだろうなー というのを確認。
無事、手術も終わり問題の虫垂を見せてもらう私。(向こうから見せてくれる)
4cmくらいのぴろーんとしたピンクのそして、すこし黒っぽい部分のある物体。
この小さなものが、私をこんなに苦しめたのね。ああ、メガネがほしい。
「ご主人に生で見せられないのが残念だなぁ。あ、写真あるのでいつでも言ってください。」
(先生、家長はあまり見たくないと思います。)
とりあえず、もう少しで手遅れの状態だったらしいです。いやぁ、我慢しちゃったなぁ。
痛みって、人によって感じ方が違うので「たいしたことないかも」とか
「もしかしたら、他の人はあまり痛くないくらいかもしれない」とか思って
どのあたりまで我慢するべきかわかんないんですよね。私だけ?
今回は、我慢しなくて良かったらしい。でも、帰省したかったし・・・・。

さて、手術が終わったのは日付が変わって土曜日の午前0時半ごろ。
もうおそいので、家長への連絡は明日してもらうことに。
手術台から、移動用のベッドに皆さんの掛け声と同時に抱え上げてもらい移動。
(同時に、こんなにたくさんの男性に抱えられたのは初めての経験♪)
そして病室へ。先生数名と看護婦さんでベッドを取り囲んでの移動。
その時、先生が「今ねぇ、流行ってるんですよね、盲腸。」
え?盲腸って流行り病なの?そんなものなの?もしかしてうつる?
後に聞いたところによると、疲れたりして抵抗力が落ちたりして発症することもあるらしい。
昔は、果物の種を飲み込んだら盲腸になるとか言われたらしいけど
(ちなみに、嫁母は40年位前「種が入り込んで腐ってました」といわれたらしい。)
最近は、そんな感じらしいです。ご近所さんに「暴飲暴食が原因です」といわれたツワモノもあり。
というわけで、夏バテなんかで疲れてる人が多いから、盲腸も多い、ってことらしい。(多分)

病室について、またもや、先生達に病室のベッドへと移してもらい
少しうとうとするものの、まだ少し効いていた麻酔や、なれない傷の痛みや、
なれない点滴なんかで、寝返りを打てないせいもあり出てくる腰痛で、眠れない私。
こうして、年に1度の結婚記念日の日に入院生活が始まったのでした。

今日の一言
盲腸を見せてくれる先生は嬉しそうだった


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Last-modified: Sat, 21 May 2005 09:57:56 JST (7623d)