先日、大学時代の学科仲間で忘年会がありました。 同期のほとんどは、ソフトウェア関係の似たような仕事をしています。 物理は、つぶしが利かないという見方もありますが、私はそうは思いません。 同期が就職を考えたとき一番門戸が広かったのが、その業界だったのです。
物理という学問の最盛期は、20世紀前半でした。このため、今物理をやるには、
高校で教えてもらった200年以上前の物理の後にさらに200年分の理屈を詰め込ま
なくてはなりません。それらを乗り越えた物理学科の教授なんかは、
それこそ超人です。とても太刀打ちできませんでした。
私は、そうした超人を目の当たりにして、方向転換を図ったわけですが、
働き始めるとソフトウェアの世界がとても簡単に感じられます。
今ではもう正確には思い出せませんが、expornentialの肩に行列式が乗ってて、 その係数に確率の要素が入った重積分を用いて表された量子場を Super Computer上のSimulationで再現する。などということをやっていたのも 影響しているかもしれませんが...。
忘年会の場でも何回か同じような話が、飛び出しました。 物理や数学をまじめにやっていたものにとっては、世の中の理系の理屈の ほとんどは、恐れるに 足りません。工学や生物、化学の論文などは前提知識がなくても英語と数式の 感じから何となく読めちゃうので、そういった分野にいっても大丈夫です。 世の中の流行が生物であれば、そういう分野で働いている同期がもっと いたはずです。
どちらかというと記憶したり分類したりといった作業の入る、生物、化学、 地学とは異なり、 物理はひたすら数式を用いた理屈を積み重ねます。数式と数式の間の 行間の意味を理解するだけで、1週間かかるのもザラでした。 理論系だけでなく実験系でも同じです。実験をやったあとはそれを裏付ける 説明を数式でつけなければならないのですから。
物理や数学の理系の濃い世界は日本では異質と見られがちです。 「大学で何やってた?」って聞かれて「物理です。」と答えるとたいていの人は、 それ以上 その点については触れてきません。 なぜなら、日本は世界でも珍しい文系社会ですから...。
# 文系が7割を占める国は日本以外にはありません。
お金という数字を扱う経済学が何故、微積分を知らない文系の学問と なっているのか、不思議です。 そんな人たちに経済を任せているから、こんな世の中になってしまったんだと 思うんですが...。
日本には、人材以外に資源はありません。研究開発を粘り強くできる物理や 数学の人間にもっとお金と時間を割けないもんでしょうかねー。 でも、日本を理系社会にするには親の世代を入れ替えることを考えると、 100年はかかるんだろうなー。
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